慢性頭痛はどう診断される?

    慢性頭痛はどう診断される?

    「慢性頭痛とはどんな状態?」

    「頭痛が毎日続けば慢性頭痛なの?」

    「慢性頭痛はMRIやCTで診断するの?」

    頭痛が長く続いていると、「自分は慢性頭痛なのでは?」と心配になる方も多いでしょう。

    しかし、慢性頭痛は、単に頭痛が長期間続いているというだけで診断されるわけではありません。

    頭痛が起こる日数や持続期間、痛みの特徴、吐き気や光・音への過敏などの症状を確認し、国際的な診断基準に照らし合わせて判断します。

    また、片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛が慢性化しているのか、別の病気が原因となる二次性頭痛なのかを見分けることも重要です。

    この記事では、慢性頭痛がどのように診断されるのか、どんな検査が行われるのか、そして「毎日頭が痛い=慢性頭痛」ではない理由について詳しく解説します。


    慢性頭痛とは?

    慢性頭痛とは、頭痛が長期間にわたって繰り返し起こる状態を指します。

    ただし、医学的には「慢性片頭痛」「慢性緊張型頭痛」など、それぞれに診断基準があります。

    代表的な慢性頭痛の一つである「慢性片頭痛」では、国際頭痛分類(ICHD-3)において、3か月を超えて、月15日以上の頭痛があり、そのうち少なくとも月8日以上が片頭痛の特徴を持つことなどが診断基準になっています。

    一方、「慢性緊張型頭痛」では、3か月を超えて平均月15日以上の頭痛があり、一定の特徴を満たすことが基準になります。

    つまり、「毎日痛いから慢性頭痛」という単純な判断ではありません。


    慢性頭痛はMRIやCTだけでは診断できない

    慢性頭痛は、MRIやCTの画像だけで診断するものではありません。

    片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛では、画像検査を行っても明らかな異常が見つからないことがあります。

    そのため、慢性頭痛の診断では、

    • 頭痛が起こる日数
    • 頭痛が続いている期間
    • 頭痛の場所
    • 痛み方
    • 痛みの強さ
    • 吐き気や嘔吐
    • 光や音への過敏
    • 身体を動かしたときの変化
    • 前兆の有無
    • 神経症状の有無

    などを詳しく確認します。

    頭痛の「パターン」を把握することが、慢性頭痛の診断では非常に重要です。


    慢性頭痛の診断では何を確認する?

    慢性頭痛を診断するときは、主に次のような情報を確認します。

    確認する項目確認する内容
    発症時期いつから頭痛が始まったか
    頭痛の日数1か月に何日頭痛があるか
    持続期間慢性的な状態がどのくらい続いているか
    痛む場所片側・両側・後頭部・こめかみなど
    痛み方ズキズキ・締め付ける・重いなど
    随伴症状吐き気・光過敏・音過敏など
    前兆視覚症状やしびれなど
    薬の使用頭痛薬を何日使用しているか

    こうした情報から、片頭痛なのか、緊張型頭痛なのか、薬物乱用頭痛が関係しているのかなどを判断します。


    ① まず「頭痛が月に何日あるか」を確認する

    慢性頭痛の診断では、頭痛が起こる日数が非常に重要です。

    例えば、

    • 月に2~3日
    • 月に5日程度
    • 週に2~3日
    • 月の半分以上
    • ほぼ毎日

    など、できるだけ具体的に確認します。

    「頭痛が多い」という感覚だけではなく、実際に何日頭痛があったのかを記録しておくと診断に役立ちます。

    そのため、頭痛日記をつけることがおすすめです。

    ▶頭痛日記とは?記録するメリット


    ② 3か月以上続いているかを確認する

    慢性片頭痛や慢性緊張型頭痛などでは、頭痛が3か月を超えて続いていることが診断基準の重要な条件になります。

    例えば、最近1か月だけ頭痛が毎日ある場合、それだけで慢性片頭痛や慢性緊張型頭痛と診断されるわけではありません。

    「いつから頭痛の頻度が増えたのか」「以前はどのくらいの頻度だったのか」など、頭痛の経過を確認することが重要です。


    ③ 頭痛の特徴から種類を判断する

    頭痛の日数だけでなく、どのような頭痛なのかも診断では重要です。

    例えば片頭痛では、

    • ズキズキする
    • 片側に起こることが多い
    • 吐き気や嘔吐がある
    • 光がつらい
    • 音がつらい
    • 身体を動かすと悪化する

    などの特徴があります。

    一方、緊張型頭痛では、

    • 頭の両側に起こる
    • 締め付けられるような痛み
    • 重い感じがする
    • 吐き気が強くない
    • 身体を動かしても大きく悪化しない

    などの特徴があります。

    このように、頭痛の性質を確認しながら診断します。

    ▶頭痛の種類とは?|あなたの頭痛はどのタイプ?


    慢性片頭痛はどう診断される?

    慢性片頭痛は、片頭痛が長期間にわたって頻繁に起こる状態です。

    国際頭痛分類(ICHD-3)では、代表的な基準として、

    • 3か月を超えて頭痛が続いている
    • 月15日以上の頭痛がある
    • そのうち月8日以上が片頭痛の特徴を持つ
    • 過去に片頭痛の発作を繰り返している

    などを確認します。

    ここで重要なのは、月15日以上の頭痛があるだけで、すべてが慢性片頭痛になるわけではないということです。

    頭痛の性質や随伴症状などを確認し、片頭痛の基準を満たしているかを判断します。

    ▶片頭痛について詳しくはこちら


    慢性緊張型頭痛はどう診断される?

    慢性緊張型頭痛も、頭痛の日数と痛みの特徴を組み合わせて診断します。

    国際頭痛分類では、3か月を超えて平均月15日以上の頭痛があり、

    • 両側性であることが多い
    • 圧迫感・締め付け感のある痛み
    • 軽度から中等度の痛み
    • 日常的な身体活動で悪化しにくい

    などの特徴を確認します。

    吐き気や嘔吐が強い場合には、片頭痛など別の頭痛との区別も重要になります。

    ▶緊張型頭痛について詳しくはこちら


    「毎日頭痛がある」=慢性頭痛とは限らない

    「毎日頭が痛い」と聞くと、慢性頭痛だと思うかもしれません。

    しかし、毎日頭痛がある原因は一つではありません。

    例えば、

    • 慢性片頭痛
    • 慢性緊張型頭痛
    • 薬物乱用頭痛
    • その他の一次性頭痛
    • 二次性頭痛

    など、さまざまな可能性があります。

    そのため、「毎日痛い」という情報だけで頭痛の種類を決めることはできません。

    頭痛が始まった時期や痛みの特徴、薬の使用状況などを詳しく確認する必要があります。


    薬物乱用頭痛がないかも確認する

    頭痛が頻繁に起こる場合、頭痛薬の使用頻度も重要な確認項目です。

    頭痛薬を頻繁に使用していると、薬物乱用頭痛が関係している可能性があります。

    そのため、頭痛外来では、

    • どの薬を使っているか
    • 月に何日使っているか
    • 1日に何回使用するか
    • どのくらいの期間使用しているか
    • 薬を飲むと頭痛が改善するか

    などを確認します。

    「頭痛がするから薬を飲んでいる」というだけではなく、薬を使用している日数を正確に伝えることが大切です。

    ▶薬物乱用頭痛とは?原因・症状・治し方


    慢性頭痛の診断でMRIやCTは必要?

    慢性頭痛だからといって、必ずMRIやCTを受けるわけではありません。

    典型的な片頭痛や緊張型頭痛で、神経学的な診察に異常がなく、危険な病気を疑う症状がない場合には、画像検査を行わずに診断できることがあります。

    一方で、

    • 頭痛のパターンが変化した
    • 頭痛の頻度や強さが急に増えた
    • 今まで経験したことのない頭痛がある
    • 神経症状を伴う
    • 発熱を伴う
    • 頭部外傷後から頭痛が続いている
    • 50歳を過ぎてから初めて頭痛が起こった
    • 脳や血管の病気が疑われる

    などの場合には、MRIやCTなどの画像検査が検討されることがあります。

    日本頭痛学会のガイドラインでも、神経学的所見が正常な慢性頭痛患者に対する画一的な画像検査は避け、画像診断が必要と判断された場合には通常CTよりMRIが推奨されています。

    ▶頭痛でMRI検査が必要になるケースとは?


    慢性頭痛では神経学的な診察も重要

    慢性頭痛の診断では、問診だけでなく神経学的な診察が行われることがあります。

    例えば、

    • 手足の動き
    • 手足の感覚
    • 反射
    • 眼球の動き
    • 瞳孔
    • 顔の動き
    • 言葉
    • 歩行やバランス

    などを確認します。

    神経学的な異常がある場合には、脳や神経の病気が隠れていないか確認するため、画像検査などが追加されることがあります。


    慢性頭痛と二次性頭痛を見分けることが重要

    慢性的に頭痛が続いている場合でも、すべてが一次性頭痛とは限りません。

    ほかの病気が原因となって頭痛が起こっている場合は、二次性頭痛と呼ばれます。

    例えば、

    • 脳出血
    • 脳腫瘍
    • 脳血管の病気
    • 感染症
    • 頭部外傷
    • その他の全身性疾患

    などが原因になることがあります。

    そのため、「何か月も頭痛があるから慢性頭痛だろう」と自己判断せず、頭痛の経過や症状に変化がある場合は医療機関で相談することが大切です。

    ▶二次性頭痛とは?|命に関わる危険な頭痛


    慢性頭痛の診断に頭痛日記が役立つ

    慢性頭痛を診断するうえで、頭痛日記は非常に役立つ情報になります。

    例えば、

    • 頭痛が起こった日
    • 頭痛の強さ
    • 頭痛が続いた時間
    • 痛む場所
    • 痛み方
    • 吐き気や嘔吐
    • 光や音への過敏
    • 使用した薬
    • 薬を使用した日
    • 睡眠時間
    • 天候
    • 月経周期

    などを記録しておきます。

    特に、慢性頭痛では「月に何日頭痛があるのか」を把握することが重要です。

    「たぶん毎日」「かなり多い」といった感覚ではなく、実際の日数を記録しておくことで、診断や治療方針を考える際の参考になります。

    ▶頭痛日記とは?記録するメリット


    慢性頭痛の診断では何科を受診する?

    慢性的な頭痛を繰り返している場合は、頭痛外来、脳神経内科、脳神経外科などで相談できます。

    特に、頭痛を繰り返しているものの、どの診療科を受診すればよいかわからない場合は、頭痛を専門的に診療している医療機関を選ぶとよいでしょう。

    突然の激しい頭痛や神経症状など、緊急性が疑われる場合には、症状に応じて速やかな医療機関受診が必要です。

    ▶頭痛外来とは?一般内科との違いを解説

    ▶脳神経外科と脳神経内科の違いとは?


    慢性頭痛はどのように診断される?まとめ

    慢性頭痛は、MRIやCTの画像だけで診断するものではありません。

    頭痛が起こる日数や期間、痛みの特徴、吐き気や光・音への過敏などの症状を詳しく確認し、国際的な診断基準に照らし合わせて判断します。

    特に重要なのは、

    • いつから頭痛があるか
    • 月に何日頭痛があるか
    • 1回の頭痛がどのくらい続くか
    • どのような痛みなのか
    • 片頭痛の特徴があるか
    • 緊張型頭痛の特徴があるか
    • 頭痛薬をどのくらい使用しているか
    • 神経症状などがないか

    といった情報です。

    また、慢性頭痛のように見えても、二次性頭痛が隠れている可能性があります。

    突然の激しい頭痛、今まで経験したことのない頭痛、神経症状、意識障害、けいれん、発熱などを伴う場合には、速やかに医療機関で診察を受けることが重要です。

    一方で、典型的な片頭痛や緊張型頭痛で、神経学的な異常がなく、危険な病気を疑う症状がない場合には、画像検査を行わずに診断されることもあります。

    「頭痛が長く続いている」というだけで自己判断せず、頭痛の日数や症状を記録し、専門医に相談することが慢性頭痛を正しく診断する第一歩です。


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