脳脊髄液

頭痛の改善に大きく影響を及ぼす脳脊髄液
頭蓋骨の内側に脳がありますが、脳は3層の膜に囲まれています。
外側から順に、硬膜→くも膜→軟膜
くも膜と軟膜の間に存在する無色透明な液体が脳脊髄液です。
脳はそれと同じ成分の組織である脊髄とつながっていますので、脳と脊髄を一体とする塊は脳脊髄液の中に浮かんでいることになります。
脳脊髄液の一番大きな役割は脳と脊髄を保護することです。 また脳と脊髄の周りを循環することで老廃物を排泄する役割も持っています。
脳脊髄液は1分間に6〜12回のリズムで生成や吸収を繰り返し、それに合わせて頭蓋骨も動いています。
脳脊髄液は全身で125〜150mLほど存在し、脳内部の側脳室、第3脳室、第4脳室の中にある脈絡叢というところで1日約450mL産生され、脳・脊髄の周りを回って頭蓋骨の下のくも膜下腔にあるくも膜顆粒で吸収されます。
脳脊髄液には、通常70-180cm水柱程度の圧がかかっていますが、外傷などでくも膜に傷がつくと脳脊髄液が外部に漏れるため脳脊髄液の圧が下がり、めまい、立ちくらみその他の不定愁訴の原因となります。
近年、低髄液圧症候群、髄液漏出症候群、髄液減少症などと呼ばれる明らかな外傷歴がなくても起こることがあります。