頭痛でMRI検査が必要になるケースとは?

    頭痛でMRI検査が必要になるケースとは?

    「頭痛があるけれど、MRI検査を受けたほうがいい?」

    「どんな頭痛ならMRIが必要なの?」

    「片頭痛でもMRIを受けることはある?」

    頭痛が続くと、「脳に何か異常があるのでは?」と心配になり、MRI検査を受けたいと考える方も多いでしょう。

    しかし、頭痛がある人すべてにMRI検査が必要になるわけではありません。

    頭痛の種類や症状、発症の仕方、神経学的な異常の有無などを確認し、脳や血管などの病気が疑われる場合にMRI検査が検討されます。

    日本頭痛学会の「頭痛の診療ガイドライン2021」でも、神経学的所見が正常な慢性頭痛患者に対して画一的な画像検査を行うことは避け、画像診断が必要と判断された場合には通常CTよりMRIが推奨されています。[oai_citation:1‡日本頭痛学会](https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf?utm_source=chatgpt.com)

    この記事では、頭痛でMRI検査が必要になる代表的なケースと、反対にMRIが必要ないことも多い頭痛について詳しく解説します。


    頭痛があるからといってMRIが必要とは限らない

    まず知っておきたいのは、「頭痛=MRI検査」というわけではないということです。

    片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛では、症状や経過、神経学的な診察などから診断できる場合があります。

    特に、以前から同じような頭痛を繰り返していて、症状に大きな変化がなく、神経学的な異常も認められない場合には、MRIなどの画像検査を行わないこともあります。

    画像検査にはメリットがある一方で、検査時間や費用、偶然見つかった所見への追加検査などの負担もあります。

    そのため、必要性を判断したうえで検査を受けることが大切です。


    頭痛でMRI検査が必要になる主なケース

    頭痛の原因として脳や血管などの病気が疑われる場合には、MRI検査が検討されます。

    代表的なのは、次のようなケースです。

    • 頭痛の頻度や強さが以前より増えている
    • 頭痛のパターンが変化した
    • 今まで経験したことのない頭痛がある
    • 初めて強い頭痛が起こった
    • 神経症状を伴っている
    • 50歳を過ぎてから初めて頭痛が起こった
    • 頭部外傷後から頭痛が続いている
    • がんの既往がある
    • 免疫機能が低下する病気や状態がある
    • 発熱など全身症状を伴っている
    • 脳や血管の病気が疑われる

    これらは、頭痛の背景に二次性頭痛が隠れていないかを確認するために、画像検査を検討するきっかけになります。

    米国放射線学会(ACR)の頭痛画像診断基準でも、頭痛の頻度・重症度の増加、発熱や神経学的異常、がんや免疫抑制状態の既往、50歳を超えてからの発症、頭部外傷後の頭痛などは「レッドフラッグ」とされ、画像検査が検討されます。[oai_citation:2‡ACR Search](https://acsearch.acr.org/list/TopicNarrativePdf?topicId=140&utm_source=chatgpt.com)


    ① 頭痛が以前より強くなっている場合

    以前から頭痛があったとしても、最近になって頭痛の頻度や強さが明らかに増えている場合には注意が必要です。

    例えば、

    「以前は月に2回だったのに、最近は週に何度も痛む」

    「いつもの頭痛より明らかに強くなってきた」

    「頭痛が起こるたびに痛みが強くなっている」

    などです。

    こうした変化がある場合には、これまでと同じ片頭痛などなのか、それとも別の原因が加わっているのかを確認するため、MRIなどの画像検査が検討されることがあります。


    ② 頭痛のパターンが変わった場合

    頭痛の「いつものパターン」が変化した場合も注意が必要です。

    例えば、

    • 今まで片側だったのに両側が強く痛むようになった
    • 痛み方が変わった
    • 頭痛が起こる時間帯が変わった
    • 持続時間が長くなった
    • 頭痛の頻度が急に増えた
    • これまでなかった神経症状が出てきた

    などです。

    頭痛のパターンが変わった場合は、「いつもの頭痛だから」と自己判断せず、医療機関で相談することが大切です。


    ③ 今まで経験したことのない頭痛の場合

    今まで経験したことのない頭痛が突然起こった場合には、注意が必要です。

    特に、突然発症して短時間で痛みがピークに達するような頭痛は、くも膜下出血などの重大な病気が原因となっている可能性があります。

    日本頭痛学会も、これまで経験したことのないひどい頭痛や、突然発症して短時間でピークに達する頭痛では、速やかに脳神経外科または脳神経内科を受診する必要があるとしています。[oai_citation:3‡日本頭痛学会](https://www.jhsnet.net/ippan_zutu_kaisetu_01.html?utm_source=chatgpt.com)

    このような場合は、単に「MRIを予約すればいい」と考えるのではなく、緊急性を含めて医療機関で判断してもらうことが重要です。


    ④ 手足のしびれや麻痺などを伴う場合

    頭痛と同時に神経症状がある場合には、脳や神経の病気が疑われることがあります。

    例えば、

    • 手足に力が入りにくい
    • 手足がしびれる
    • 顔の片側が動かしにくい
    • ろれつが回らない
    • 言葉が出にくい
    • 物が二重に見える
    • 視野が欠ける
    • 歩きにくい
    • 強いふらつきがある
    • 意識がもうろうとする
    • けいれんがある

    などです。

    こうした症状を伴う頭痛では、脳梗塞や脳出血などの病気を含めて評価する必要があり、MRIやCTなどの画像検査が検討されます。

    特に突然起こった神経症状は緊急性があるため、MRIを受けるかどうかを自分で判断せず、速やかに医療機関を受診してください。


    ⑤ 50歳を過ぎてから初めて頭痛が起こった場合

    50歳を過ぎてから初めて頭痛が起こった場合も、画像検査を検討するケースの一つです。

    若い頃から同じような頭痛を繰り返している場合と比べて、50歳以降に初めて発症した頭痛では、二次性頭痛の可能性を考える必要があります。

    日本頭痛学会のガイドラインでも、50歳以上で初発した片頭痛などは画像診断を考慮するケースとして挙げられています。[oai_citation:4‡日本頭痛学会](https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf?utm_source=chatgpt.com)

    ただし、年齢だけでMRIが必ず必要になるという意味ではありません。

    頭痛の症状や診察結果などを含めて、医師が必要性を判断します。


    ⑥ 頭部をぶつけた後から頭痛が続く場合

    転倒やスポーツ、交通事故などで頭部に衝撃を受けた後、頭痛が続く場合にも画像検査が検討されます。

    頭部外傷後の頭痛では、頭蓋内出血などが隠れている可能性があるためです。

    日本頭痛学会も、軽症の頭部外傷やスポーツによる頭部外傷の後に頭痛が続く場合には、画像検査を受けるよう案内しています。[oai_citation:5‡日本頭痛学会](https://www.jhsnet.net/ippan_zutu_nijisei.html?utm_source=chatgpt.com)

    特に、

    • 頭を強くぶつけた
    • 頭痛が徐々に強くなっている
    • 吐き気や嘔吐がある
    • 意識がぼんやりする
    • 眠気が強い
    • 手足の麻痺やしびれがある

    などがある場合には、早めの医療機関受診が重要です。


    ⑦ がんの既往がある場合

    過去にがんの治療を受けたことがある方に新しく頭痛が起こった場合には、頭痛の原因を慎重に評価する必要があります。

    脳への転移など、頭痛の原因となる病変がないかを確認するためにMRIなどの画像検査が検討されることがあります。

    ACRの頭痛画像診断基準でも、がんの既往は画像検査を検討するレッドフラッグの一つです。[oai_citation:6‡ACR Search](https://acsearch.acr.org/list/TopicNarrativePdf?topicId=140&utm_source=chatgpt.com)

    もちろん、がんの既往があるからといって、すべての頭痛が脳転移によるものというわけではありません。

    症状や診察結果に応じて必要な検査が判断されます。


    ⑧ 発熱や強い首のこわばりを伴う場合

    頭痛に発熱や強い首のこわばりなどを伴う場合には、感染症などの二次性頭痛が疑われることがあります。

    例えば、

    • 高熱がある
    • 強い頭痛がある
    • 首が強くこわばっている
    • 意識状態がおかしい
    • けいれんがある

    などです。

    このような場合は、MRIだけでなく血液検査やその他の検査が必要になることもあります。

    「MRIを受ければ大丈夫」と考えるのではなく、原因を調べるために必要な検査を医師が判断します。


    ⑨ 片頭痛でもMRIが必要になることはある?

    あります。

    片頭痛と考えられる場合でも、症状が典型的でない場合や、これまでと明らかに違う場合には、MRIなどの画像検査が検討されることがあります。

    日本頭痛学会のガイドラインでは、片頭痛が疑われる場合でも、

    • 通常と異なる前兆がある
    • 長期間続く、または遷延する前兆がある
    • 頭痛の頻度や重症度が増加した
    • 臨床的特徴が変化した
    • 初回の発作である
    • 今までで最悪の発作である
    • 脳幹性前兆を伴う
    • 錯乱を伴う
    • 運動症状を伴う
    • 50歳以上で初発した

    などの場合には画像診断を考慮するとしています。[oai_citation:7‡日本頭痛学会](https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf?utm_source=chatgpt.com)

    つまり、「片頭痛だからMRI不要」でも「片頭痛だからMRI必須」でもありません。

    症状の特徴や変化によって判断されます。

    ▶片頭痛について詳しくはこちら


    ⑩ 非典型的な頭痛の場合

    頭痛には、片頭痛や緊張型頭痛など、比較的典型的な特徴を持つ一次性頭痛があります。

    一方で、症状が典型的なパターンに当てはまらない場合には、別の原因がないか確認するため画像検査を検討することがあります。

    例えば、

    • 今までにない痛み方
    • 急に頭痛の性質が変わった
    • 頭痛が毎日のように悪化している
    • 頭痛と神経症状が同時に起こる
    • 発熱などを伴う
    • 頭痛の原因がはっきりしない

    などです。

    日本頭痛学会のガイドラインでも、非典型的な病型や診断基準に当てはまらない頭痛では、神経画像診断を考慮してよいとしています。[oai_citation:8‡日本頭痛学会](https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf?utm_source=chatgpt.com)


    MRIとCTはどう使い分ける?

    頭痛の画像検査では、MRIだけでなくCTが選択されることもあります。

    検査特徴頭痛で検討される場面
    MRI脳の組織を詳しく確認しやすい。放射線被ばくがない脳腫瘍、脳梗塞、脳の構造異常などの評価
    CT短時間で撮影しやすい。X線を使用する急性の出血や頭部外傷などの評価
    MRAMRIを利用して血管を確認する脳血管の異常が疑われる場合

    日本頭痛学会では、慢性頭痛で神経画像診断が必要と判断された場合、通常はCTよりMRIが推奨されています。[oai_citation:9‡日本頭痛学会](https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf?utm_source=chatgpt.com)

    一方、突然発症した激しい頭痛などでは、緊急性を考慮してCTが先に選択されることがあります。

    「MRIのほうが詳しいから、すべてMRI」というわけではなく、検査の目的によって使い分けられます。

    ▶MRIとCTの違い|頭痛ではどちらを受ける?


    MRIで異常がなければ頭痛の原因はない?

    いいえ。MRIで異常がなくても頭痛は起こります。

    片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛では、MRIで明らかな異常が見つからないことがあります。

    これらの頭痛は、脳腫瘍などの構造的な異常が原因ではなく、頭痛の症状や経過、神経学的診察などを組み合わせて診断されるためです。

    そのため、

    MRIで異常なし

    頭痛の原因がない

    とは限りません。

    画像検査によって危険な病気が否定されたうえで、片頭痛や緊張型頭痛などと診断されることもあります。

    ▶MRIで異常なしと言われた頭痛の原因とは?


    慢性的な片頭痛ではMRIを毎回受ける?

    典型的な片頭痛で、神経学的な診察に異常がなく、頭痛のパターンも安定している場合には、毎回MRIを受ける必要は通常ありません。

    大切なのは、画像検査を繰り返すことではなく、

    • 頭痛の頻度
    • 頭痛の強さ
    • 頭痛の持続時間
    • 日常生活への影響
    • 薬の使用状況
    • 頭痛パターンの変化

    などを確認しながら治療を続けることです。

    ただし、途中で頭痛の症状が大きく変化した場合には、改めて画像検査が検討されることがあります。


    頭痛でMRIを受けるか迷ったらどうする?

    「MRIを受けたほうがいいのかな?」と迷った場合は、まず医療機関で頭痛の症状を相談しましょう。

    医師は、

    • 頭痛の発症時期
    • 頭痛の頻度
    • 痛み方
    • 痛む場所
    • 頭痛の変化
    • 神経学的な症状
    • 既往歴
    • 頭部外傷の有無

    などを確認したうえで、MRIやCTなどの検査が必要かを判断します。

    「MRIを受けたい」と伝えること自体は問題ありませんが、検査の必要性を含めて医師に相談することが大切です。


    頭痛でMRI検査を受ける前に知っておきたいこと

    MRIは放射線を使用しない検査ですが、誰でも同じ条件で受けられるわけではありません。

    例えば、体内に特定の金属製医療機器がある場合などには、MRI検査ができなかったり、条件が制限されたりすることがあります。

    また、検査中は大きな音がするため、閉所が苦手な方は事前に医療機関へ相談しておくと安心です。

    造影MRIを行う場合には、造影剤を使用することもあります。

    検査方法について不安がある場合は、予約時や診察時に確認しましょう。


    頭痛でMRI検査が必要になるケースまとめ

    頭痛があるからといって、必ずMRI検査が必要になるわけではありません。

    一方で、次のような場合にはMRIなどの画像検査が検討されることがあります。

    • 頭痛の頻度や強さが増えている
    • 頭痛のパターンが変化した
    • 今まで経験したことのない頭痛がある
    • 初めて強い頭痛が起こった
    • 神経症状を伴っている
    • 50歳以降に初めて頭痛が起こった
    • 頭部外傷後に頭痛が続いている
    • がんの既往がある
    • 免疫機能が低下している
    • 発熱などを伴っている
    • 脳や血管の病気が疑われる

    特に、突然の激しい頭痛、意識障害、手足の麻痺・しびれ、ろれつが回らない、視力・視野の異常などを伴う場合は、MRIを受けるかどうかを自分で判断せず、速やかに医療機関を受診することが重要です。

    日本頭痛学会も、これまで経験したことのない激しい頭痛や突然発症して短時間でピークに達する頭痛、発熱、麻痺・しびれなどを伴う頭痛では、速やかな診察をすすめています。

    一方、以前から同じような片頭痛や緊張型頭痛を繰り返していて、神経学的な異常がなく、症状も安定している場合には、画像検査を行わないこともあります。

    「MRIを受けるべきか」ではなく、「この頭痛に画像検査が必要なのか」という視点で判断することが大切です。


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