頭痛外来ではどんな検査をするの?
頭痛外来ではどんな検査をするの?
「頭痛外来ではどんな検査をするの?」
「頭痛があるならMRIやCTを受けるの?」
「頭痛外来を受診したら、必ず画像検査をする?」
頭痛が続いていると、「脳に何か異常があるのでは?」と心配になり、MRIやCTなどの検査を受けたいと考える方も多いでしょう。
しかし、頭痛外来を受診したからといって、全員がMRIやCTなどの画像検査を受けるわけではありません。
頭痛の診断では、まず症状や経過を詳しく確認し、神経学的な診察を行います。
そのうえで、脳や血管などの病気が疑われる場合には、必要に応じてMRIやCTなどの検査が追加されます。
この記事では、頭痛外来で行われる代表的な検査と、それぞれの検査で何がわかるのかについて詳しく解説します。
頭痛外来ではまず「問診」が重要
頭痛外来で最初に行われる重要な診察の一つが、問診です。
頭痛は、画像検査だけで診断できるものではありません。
頭痛の場所や痛み方、起こる頻度、持続時間、吐き気の有無などを詳しく確認することで、どのような頭痛なのかを判断していきます。
例えば、
- いつから頭痛が始まったのか
- 月に何日くらい頭痛があるのか
- 1回の頭痛はどのくらい続くのか
- 頭のどこが痛むのか
- ズキズキするのか、締め付けるように痛むのか
- 痛みの強さはどのくらいか
- 吐き気や嘔吐があるか
- 光や音がつらくなるか
- 身体を動かすと痛みが悪化するか
- 頭痛の前に視覚症状などがあるか
- 天候や睡眠、月経などとの関係があるか
- 頭痛薬を何日くらい使用しているか
などを確認します。
「どのような頭痛なのか」を詳しく把握することが、検査を選択するうえでも重要です。
頭痛外来では神経学的診察も行う
問診とともに、神経学的な診察が行われることがあります。
神経学的診察では、脳や神経の働きに異常がないかを確認します。
例えば、
- 意識状態
- 手足の動き
- 手足の感覚
- 反射
- 眼球の動き
- 瞳孔の状態
- 顔の動き
- 言葉の状態
- 歩行やバランス
などを確認します。
こうした診察によって、脳や神経に異常が疑われる場合には、MRIやCTなどの画像検査が検討されます。
MRI検査では何がわかる?
MRIは、磁気と電波を利用して身体の内部を画像化する検査です。
X線を使用しないため、放射線被ばくがないことが特徴です。
脳の組織を詳しく確認することができ、頭痛の原因として脳の病気などが疑われる場合に利用されることがあります。
MRIでは、例えば、
- 脳梗塞
- 脳腫瘍
- 脳の構造的な異常
- 一部の炎症性疾患
- 脳血管の異常
などを調べる目的で使用されることがあります。
また、MRAという方法を組み合わせることで、脳の血管の状態を確認することもあります。
CT検査では何がわかる?
CTは、X線を利用して身体の断面画像を撮影する検査です。
CTは撮影時間が比較的短く、突然発症した激しい頭痛など、緊急性の高い頭痛を評価するときに利用されることがあります。
例えば、
- 脳出血
- くも膜下出血
- 頭部外傷
- 頭蓋骨の異常
- 一部の脳病変
などを確認する目的で使用されることがあります。
一方、CTではX線を使用するため、放射線被ばくがあります。
そのため、必要性を考慮して検査が行われます。
MRIとCTはどちらを受ける?
MRIとCTのどちらを選ぶかは、頭痛の症状や疑われる病気によって変わります。
| 検査 | 特徴 | 頭痛で利用される例 |
|---|---|---|
| MRI | 脳の組織を詳しく確認しやすい。放射線被ばくがない | 脳梗塞、脳腫瘍、脳の構造異常などが疑われる場合 |
| CT | 短時間で撮影しやすい。X線を使用する | 突然の激しい頭痛、脳出血、頭部外傷などが疑われる場合 |
| MRA | MRIを利用して血管を確認する | 脳血管の異常などが疑われる場合 |
「MRIのほうが詳しいから頭痛ならMRI」というように、一律に決まっているわけではありません。
何を疑っているのかによって、必要な検査が選択されます。
血液検査をすることもある?
頭痛の原因によっては、血液検査が行われることもあります。
例えば、
- 感染症が疑われる
- 炎症性疾患が疑われる
- 貧血などが疑われる
- 全身的な病気が頭痛に関係している可能性がある
などの場合です。
ただし、典型的な片頭痛や緊張型頭痛で、ほかの病気を疑う所見がない場合には、血液検査が必要ないこともあります。
必要な検査は、頭痛の症状や診察結果によって判断されます。
頭痛外来では全員がMRIを受ける?
いいえ。頭痛外来を受診したからといって、全員がMRIを受けるわけではありません。
例えば、以前から同じような片頭痛を繰り返していて、症状が典型的で、神経学的な診察にも異常がない場合には、画像検査を行わずに診断・治療を進めることがあります。
アメリカ放射線学会(ACR)の頭痛画像診断基準でも、危険徴候のない一次性頭痛では、画像検査を通常行わないことが適切とされています。
つまり、
「頭痛がある」=「MRIが必要」
ではありません。
画像検査が必要かどうかは、頭痛の症状や診察結果から判断されます。
片頭痛の場合はどんな検査をする?
典型的な片頭痛の場合、診断では問診や神経学的診察が重要になります。
片頭痛には、
- ズキズキする頭痛
- 頭の片側に起こることが多い
- 吐き気や嘔吐
- 光がつらい
- 音がつらい
- 身体を動かすと痛みが悪化する
- 前兆として視覚症状などが起こる
といった特徴があります。
これらの症状が典型的で、危険な病気を疑う所見がない場合には、画像検査が必要ないケースもあります。
一方で、これまでとは明らかに違う頭痛になった場合や、神経症状を伴う場合などには、MRIやCTなどが検討されることがあります。
緊張型頭痛の場合はどんな検査をする?
緊張型頭痛も、問診や診察によって診断されることが多い頭痛です。
代表的な特徴として、
- 頭の両側が痛む
- 締め付けられるような痛み
- 首や肩のこりを伴う
- 吐き気が強くない
- 身体を動かしても大きく悪化しない
などがあります。
典型的な症状で、危険な病気を疑う所見がなければ、画像検査が必要ない場合もあります。
ただし、頭痛のパターンが変化した場合や、神経症状などがある場合には、別の病気がないか確認するために検査が検討されます。
頭痛外来でMRIやCTが必要になりやすいケース
次のような場合には、脳や血管などの病気が隠れていないか確認するため、画像検査が検討されることがあります。
- 突然、非常に強い頭痛が起こった
- 今まで経験したことのない頭痛が起こった
- 短時間で頭痛がピークに達した
- 頭痛が徐々に悪化している
- 頭痛のパターンが以前と変わった
- 手足の麻痺やしびれがある
- 言葉が出にくい
- ろれつが回らない
- 意識がもうろうとする
- けいれんがある
- 視力や視野に異常がある
- 高熱を伴う
- 強い首のこわばりがある
- 頭部をぶつけた後から頭痛が続いている
- がんなどの既往がある
このような場合には、一次性頭痛だけではなく、二次性頭痛の可能性を考えて診察・検査が行われます。
突然の激しい頭痛ではどんな検査をする?
突然発症した非常に強い頭痛では、くも膜下出血などの重大な病気を除外することが重要です。
このような場合には、緊急性を考慮して頭部CTが選択されることがあります。
必要に応じて、CTだけでなく血管を確認するCTAや、MRI・MRAなどの追加検査が行われることもあります。
検査の組み合わせは、発症からの時間や症状、診察結果などによって異なります。
そのため、突然の激しい頭痛が起こった場合は、「MRIとCTのどちらを受ければいい?」と自分で判断するのではなく、速やかに医療機関で診察を受けることが大切です。
頭痛外来で検査を受けても「異常なし」になることはある?
はい、あります。
MRIやCTなどで脳に明らかな異常が見つからないことは珍しくありません。
特に、片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛では、画像検査で異常が見つからないことがあります。
これは、
「異常なし=頭痛の原因がない」
という意味ではありません。
画像検査で危険な病気が否定されたうえで、症状や頭痛の経過から片頭痛や緊張型頭痛などと診断されることもあります。
そのため、検査結果だけではなく、症状や診察結果を含めて判断することが重要です。
頭痛日記が検査や診断に役立つこともある
頭痛外来を受診する際には、頭痛日記をつけておくと役立ちます。
例えば、
- 頭痛が起こった日
- 頭痛の強さ
- 頭痛が続いた時間
- 痛む場所
- 痛み方
- 吐き気や嘔吐の有無
- 光や音への過敏
- 使用した薬
- 薬を使用した日数
- 睡眠時間
- 天候
- 月経周期
などを記録します。
頭痛日記は、MRIやCTの代わりになるものではありません。
しかし、頭痛のパターンや薬の使用状況を医師に伝えるための重要な情報になります。
頭痛外来で検査を受ける前に準備しておきたいこと
頭痛外来を受診する前に、次の内容を整理しておくと診察がスムーズです。
- 頭痛はいつから始まったか
- 月に何日くらい頭痛があるか
- 1回の頭痛がどのくらい続くか
- どこが痛むか
- どのような痛みか
- 吐き気や嘔吐があるか
- 光や音がつらくなるか
- 頭痛薬を何日使用しているか
- 現在使用している薬の名前
- 過去にMRIやCTを受けたことがあるか
- 過去の検査結果が手元にあるか
特に、「頭痛が何日あるか」と「頭痛薬を何日使っているか」は重要です。
頭痛薬の使用日数が多い場合には、薬物乱用頭痛が関係している可能性もあるため、正確に伝えましょう。
頭痛外来では検査だけでなく治療まで相談できる
頭痛外来の目的は、MRIやCTで異常がないか確認することだけではありません。
頭痛の種類を診断し、必要に応じて治療方法を検討することも重要な役割です。
例えば、
- 発作時に使用する薬
- 予防薬
- 薬の使用方法
- 薬物乱用頭痛への対応
- 生活習慣の見直し
- 頭痛の誘因への対策
などについて相談できます。
「検査で異常があるかどうか」だけではなく、「どうすれば頭痛を減らせるのか」まで相談できるのが頭痛外来のメリットです。
頭痛外来ではどんな検査をするの?まとめ
頭痛外来では、すべての患者さんにMRIやCTを行うわけではありません。
まず、頭痛の症状や経過について詳しく問診し、神経学的な診察を行います。
そのうえで、脳や血管などの病気が疑われる場合には、MRI、CT、MRAなどの画像検査が検討されます。
また、必要に応じて血液検査などを行うこともあります。
典型的な片頭痛や緊張型頭痛で、危険な病気を疑う症状がない場合には、画像検査を行わずに診断・治療を進めることもあります。
一方、突然の激しい頭痛、神経症状、意識障害、けいれん、高熱などを伴う場合には、重大な病気が隠れている可能性があるため、速やかな診察と必要な検査が重要です。
頭痛外来の検査は、「とりあえずMRIを撮る」というものではなく、頭痛の原因や危険性を見極めるために必要な検査を選択するものです。
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