群発頭痛

男性に多い群発頭痛

●群発頭痛について

日本に20万〜50万人いると推測されており、発生率は人口10万人当たり9.8人と比較的少ないです。20~30才代に多く、約85%は男性とされています。

●群発頭痛の特徴

群発頭痛は片側の眼周囲~前頭部、側頭部にかけての激しい頭痛がでます。数週から数ヶ月の期間群発することが特徴です。頭痛発作時には頭痛と同じ側に眼の充血や流涙などの自律神経異常に起因する症状を伴うことが特徴です。1回の頭痛発作は15分~180分で、2日に1回~1日に8回といったように何回も発作が起こる群発期があります。群発頭痛持ちの約85%は群発期と寛解期(頭痛が起きない時期)がはっきりしている反復性群発頭痛、残り15%の人は慢性群発頭痛と呼ばれ、寛解期がありません。

「眼球をえぐられる」と表現されるほどの極めて激しい痛みで、この痛みを苦にして自殺する人もいるため「自殺頭痛」と呼ばれます。あまりの痛さのために「じっとしていられない」「のたうち回る」「壁に頭を叩きつける」「床を転げ回る」などの行動をとる人もいます。

●群発頭痛を引き起こす要因

群発頭痛が起こる原因や発症のメカニズムについてはまだ解明されていない部分が多くあります。視床下部が発生源とする説、三叉神経と血管が関係しているとする説、体内時計の調節障害、遺伝子、ストレス関与などさまざまな説が言われていますが、メカニズムについては「頸または頸動脈管説」が有力視されています。
何らかの刺激によって目の奥にある内頸動脈に炎症が起き、内頸動脈が拡張することで、血管の周囲にある交感神経と内頸動脈が通り道である頭蓋骨のトンネル壁(頸動脈管)に強く圧迫され、そのときの痛みが群発頭痛であるという説です。

参考文献
・丹羽 潔 . 最新頭痛の治し方大全 -日本初の頭痛専門クリニックが教える- . 扶桑社 , 2022.
・一般社団法人 日本神経学会 https://www.neurology-jp.org/(参照2023.3.1)